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2020.01.22 カテゴリ:

間取りのこと

たまには建築流儀について書き綴ってみたいと思います。

 

設計士がまず何から図面を描き始めるのか。

それは各々違いがあります。

立面の方もいれば平面の方、断面構成から考える方もいるでしょう。

調査において敷地を見て体感し、住まい手さんとその周辺環境の最適解を模索するのが設計という作業。

決して答えはないけれど、最適解へ導く長い道のりの始まり。

 

僕はまず…という手順がないように思います。

敷地で得たインスピレーションを元にその場で思いを張り巡らせ、ほぼその場でアウトラインを決めていきます。

住まい手さんの住宅に対する想いはもちろんのこと、僕が思い描く最適解の摺り合わせ。

ぼんやりとしたベクトルを平面から立面、断面構成まで同時に頭で思い描きながらペンを走らせ、カタチへと昇華する。

 

この敷地において一番心地よいところはどこかな?視界が交錯しないところはどこかな?景色の良い方向はどちらかな?

風は?太陽は?騒音は?臭いは?お隣さんは?etc

 

大枠の配置が決まれば建築可能面積の算出(この時点で予算も考慮)をして家のアウトラインを決めます。

たまに建物を折ったり繋げたりはするものの、それはあくまでこの作業の後。

最初から変なカタチにしてやろうとか、目立ってやろうなどと言う邪な気持ちはございません笑

基本的にはモジュール(基本寸法)に則ったアウトラインを導き出すようにしています。

それから平面構成である「間取り」の設計が始まります。

しかしここで注意しなくてはならないのが設計の面白いところ。

単に間取りを描いているだけでは豊かな空間にはなり得ないのです。

そこには奥行きという物が存在し、抜け感があり、逃げがある。

昼の表情に夜の表情、屋根のカタチから来る立面と断面の構成。

リビングの心地よさ、内と外の関係性、解放するのか遮蔽するのか、各セクションからの眺め、構造、家事動線、子ども達の動線、ファブリックとプライベートの境界線…

温熱環境に風の抜け、明と暗、窓のヴォリュームにその高さ、2世帯ならまた別の問題発生、予算との兼ね合い、建築としての美しさ、収納計画…

設計中はほぼ無意識でこれらの事項を脳内で巡らせているのが設計という作業となります。

 

ですので、一概に間取りで建築が判断できないのが難しくもあり楽しいのが建築の醍醐味だと感じています。

個人的な感想ではありますが、複雑な構成で入り乱れた図面は住まい方もやはり複雑に直結してくるように思います。

それはあくまでクライアントの求める要望であり、その要望に応えるべく依頼された設計士の自由かと。

 

ちなみに僕の間取りは至極単調です。

僕にはそうした複雑な構成が苦手というか、そもそも思い描けそうにもありません笑

余計なことはせず、生活していて自然とそこに導かれるような、そんな必然性に恵まれながらの豊かな生活を住まい手さんにも望んでいるのでしょう。

しかしその単調である故の難しさもあるので、結局はシンプルにするための複雑さがあることだけは付け加えておきます。

 

各セクションの特徴に関しては住まい手さんらしさであったり周辺環境や諸条件によって開きがあるので提議出来るものではありません。

あえて挙げるとするならば、天井低め、照明少なめ、開口控えめ、家のヴォリューム控えめ…世間からのマイナスイメージが僕の設計の特徴でした…苦笑

それでも支持してくださる住まい手さんがいらっしゃるのですから、一概に“コレ”という固定概念はないのでしょう。

設計は自由、各個人のアイデンティティです。

 

 

 

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