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日々のことblog

2022.01.26

つくるいえ|日誌#6

すっかり先延ばしとなっておりました自邸の発表。新年というにはほど遠い時期となってしまいましたが、あらためまして本年もよろしくお願いいたします。飯田のブログにもありましたように、新年早々ロケットスタートばりの忙しさで、自邸のことはおざなりになっております…。

さて、まずはタイトルから「つくるいえ」とさせていただきました。弊社の物件は、どの建物も一捻りある作品タイトルが多いものですから、自分も捻らなければと勝手なプレッシャーを感じつつ瞑想しておりましたが、僕にはそんな良案は出て来ず、色々考えた末でキーワードとなったのがこのタイトルでした。家づくりを通した住まいづくりはもちろんのこと、この地で家族ともに成長し、想い出をつくるという意を込めております。
あらためて振り返ると、僕の人生はものづくりが原点となっているように思います。祖父母が製麺所を営んでいてたこと、小学生の頃に建築に興味を持ち家という存在に興味を持ち始めたこと、工業高校から大学に進学し論文ではものづくりをテーマにしたこと。’つくる’ ことに対しては人一倍執着していたように思います。また、趣味(もはや副業?)でもあるレザークラフトはかれこれ10年以上にもなり、今作では住空間への転用を考えております。

前置きはさておき、建物について。
建坪は26坪の平屋。過去のブログからもご紹介の通り、敷地が広いが故、自由な設計ができる反面、如何様にもできる敷地に少し戸惑いながらも、東側にそびえ立つ山々の眺望を大前提として設計を行いました。建物がロケーションに埋もれてしまぬよう大屋根とし、存在感がありながらも内包されるような外観を表現いたしました。

建物外形は東西に長い長方形に、各所くぼみを設け、そこにテラスや庭を配置しています。プランに裏表を無くすことで360度から外部環境を取り込み、田舎ならではの土地の利を最大限に活かしつつ、自然と共生するような住まいを目指しました。

内部はアトリエを中心に、東側にLDK、西側に水回りと居室を配置し、パブリックとプライベートな空間を明確に分けました。アトリエは革工房としてはもちろんのこと、妻の裁縫スペースやワークスペース、時には子供の工作や将来の勉強スペースなど、多様なシーンを想定しています。アトリエを家の核とすることで、コミュニケーションを誘発し、子供達にもつくることへの楽しさを身近に触れられる機会を期待しております。

東側の窓からは山並みを一望できるため、開口率を多めに設計。初めて現調へ来た際、ここに大きなテラスを配置し、第2のダイニングスペースとして食事を楽しみたいとずっと考えていました。工事はこれからですが、すでにそのシーンが脳裏に浮かび、今から楽しみの一つでもあります。

北面は接道による視線が気になるため窓は最小限にしつつも、完全に閉ざしてしまうと閉塞感を与えかねないため、くぼみを設け植栽を配置しています。また内部からはアトリエ、キッチン、浴室の中庭として柔らかな光を取り込みます。
西側のテラスは物干しスペースとして想定。くぼませることで玄関アプローチからの視線に入らぬよう配慮しました。家事動線を優先しすぎるあまり、生活感が表に出してしまうと台無しですので、景観をつくる上では大事なポイントかと思います。

他にも紹介したいところは沢山ございますが、このあたりとして。詳細は現場の進捗と合わせてご紹介いたします。

ふぅ。。。これでようやく発表ができ一安心。次は、図面に追われる日々が待ち構えています。
以後は、定期的に発信できると思いますので、引き続き住まいづくり日誌をお楽しみください。

ヒロ 拝