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日々のことblog

2019.11.26

新作「ホタル山景の家」

業務過多によりしばらくプレゼンを控えておりましたが、一段落(?)してきたので設計脳に切り替え挑みます。 場所は栃木県北部にございます大田原市。 その中でも山中でして、現場へは1時間20分とちょっと遠め。 採算性から言えば悪いかも知れませんが、僕らの建築が望まれる以上はどこまでも赴くのがCOMODO流。 遠方その甲斐あってか、ロケーションは美しい山並みが望める絶好でありました。 近くには小川が流れており、季節にはなんとホタルが自生しているとの事。 もちろん星は降ってくるかの如くでしょうし、朝日も夕景も楽しめる事でしょう。 しかし近隣にはコンビニもスーパーも娯楽施設も見当たりません。 あるのはただ自然だけ。 ただそれだけでいいのだと、改めて自然のありがたみを肌で感じた瞬間となりました。 冬はちょっと寒いかも知れませんが、夏は田んぼに張った水を介した風が吹き抜ける事でしょう。
そんな環境下において、僕の住宅建築における最適解を模索したわけですが、今作はあまり迷いませんでした。 自然界において建築自体が不自然な行為である事は承知だけれど、人がそこに集落をつくって住まっている以上は自然の行為。 ただその家のヴォリューム感やプロポーションに配慮し、色のトーンを抑えることが求められるように感じたのです。 27坪の平屋。 山並みに対してどれだけの開口ヴォリュームが必要なのかをとても検討しました。 また家型のプロポーションとしてのヴォリュームが胆となります。 いつもなら低く低くをモットーにしているのですが、今作においては敷地内に建つ母屋とのバランスがあります。 これから同じ敷地内で住まう事に対し、そちらも自然とフェードインすることを建築から考えねばなりません。 ですので今作はあえてふくよかに、グラマーに仕立てました。 切り妻屋根の“普通のカタチ”ではありますけれど、屋根の勾配や高さに重点を置いて検討を重ねました。 どんなに開いてもプライバシーはほぼほぼ確保されている(もとい視線がない)けれど、守られているという家本来の役割から逸れてしまう恐れがあります。 そこで、窪みを設けてテラスを家で囲みました。 そうすることで住まいに包容力が生まれ、ほどよいプライバシーも生まれます。 普段の設計よりも開口比率はだいぶ高いかも知れませんが、セクション毎の役割から逸れぬよう注意が必要です。 自身の備忘録にも役立つため、このように、これからは設計意図もお伝えしていこうと思います。 メディア等に出稿の際、設計趣旨を求められるのですが、生み出した瞬間よりもやはり薄れてしまうものですから、こうして書き綴れるブログは便利です。 果たしてその趣旨が的確に伝わっておりますかどうか… お問い合わせ先 COMODO建築工房×飯田亮建築設計室 住所|栃木県宇都宮市上桑島町1465-41 TEL|028-689-9560 mail|info@comodo-arc.jp]]>