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大切な想いconcept

住空間設計作法

食う寝るところに住むところ

住宅にとって「食う寝るところに住むところ」は当然の役割。単に必要な部屋数を並べただけに過ぎず、住まう行為に焦点を当てられた住宅は少ないように感じます。そもそも住むと言う行為にはいろいろな意味があります。生活は様々な行為の連続です。人間が住まいで起こす行動のひとつひとつが住まうという動詞になります。それら一連の行動に対し、円滑な流れを作ってあげる事が設計です。それは何度もシミュレーションを繰り返し、研ぎ澄ましていくのです。

四季を五感で味わう住まい

春と秋は心地が良い、夏は暑い、冬は寒い。不快な時期もあるけれど、これこそが日本に住まう醍醐味であると思います。機械的に操作された環境が快適で幸せな生活、という方程式は成り立ちません。建築の工夫によって四季を堪能する方が、何倍も幸せなのではないかと感じていますし、結果エネルギーコストも抑えられるのです。 先人は凌ぐ技術を既に開発しており、その技法を現代の建築にも取り入れることは非常に有効です。しかしながらそれらを工夫し駆使する以前に、最初から機械に頼ってしまうのが現代の多く見受けられる住宅です。光の採り入れ方や風の通り道、建具の使い方次第では、機械では決して得られない清涼感や温もりが感じられることでしょう。当然ながら設備機器のような機械を用いますが、あくまで最終手段として、快適な温熱環境を構築する上での担保として存在しています。

礼儀作法を養う

私たちの設計には、子供に気を使わせることを念頭に置いて取り組んでいます。家の中ではもちろんのこと、ご近所さんとの接し方が重要ではないかと思うのです。外構での工夫がそれに当たり、住環境として外部も取り入れるのです。生活にご近所さんのような他人を取り込むことで、社会に出たときの順応性が養われるのではないかと考えます。家の中だから、親だからと言って許されることはありません。子供達が友人を自宅に招いた際に挨拶を交わさせるとか、あまり騒ぎすぎるのは良くないとか、そういう意味で気を使わせるということは、彼らの将来にとって非常に役立つのではないでしょうか。極端な表現かも知れませんが、子供達には子供達なりの分相応という存在を気付かせてあげたいと思っています。

挨拶を交わす

挨拶は人としての日常行為であり、言語は違えど万国共通です。それは親であろうと子であろうと他人であろうとも共通です。設計において接点があるように思えないかもしれませんが、弊社の設計は挨拶の出来る環境づくりを心掛けています。例えば、階段をみんなの集まる茶の間や台所に配置することで、個室へのアクセスは親の前を必ず通らなくてはならず、自然と顔を合わせることが出来ますので、一言でも会話を交わす機会が得られます。また、作庭によってご近所さんと良好な関係性を保持できるかもしれません。お隣さんとの境界は過度に遮らず、適度な距離感を保つ程度とすることで、自然とお互いに適度な距離感が生まれるのではないでしょうか。親が挨拶をすれば子供はその背中を見ていますから、そんな日常を当たり前に取り入れられたのなら、きっと子供達も自然に身につくのだと思います。

家族の居場所はリビングに

リビングの設計で一番大切にしていることは、家族の居場所であると位置づけること。住まいは家族共有の空間であると捉え、各個人のプライベートは追い求めすぎず、家族と共に過ごす時間を大切にしていただきたいと願います。そのために間取りや建具等での間仕切り方、上下階のつながりを意識した吹き抜けの活用など、住まい全体がひとつの空間にして空気を共有し、家族の気配がいつも感じられるような工夫を大切にしています。リビングが一番心地よければ、自然と家族が集まるというものではないでしょうか。顔を合わせれば自ずと会話が増えますから、家庭円満の秘訣とも言えるかもしれません。その工夫は間取りであることはもちろんのこと、空間の構成や繋げ方、奥行き、高さ関係、開口の仕方、庭の見せ方などなど、これこそが住宅作家なりの見せ所になりうるのでしょう。

子供部屋を秘密基地にしない

あくまで子供部屋は寝るところと勉強するところに特化すべきであり、個人が住まうところではありません。個人的には3畳の空間+収納があれば充分なのではないかと考えます。後は工夫して住まうことを学ばせるべきではないでしょうか。狭いなら狭いなりに子供達は順応出来るようになり、自分の部屋として工夫し、物が煩雑しないよう片付けも自然と身につく事を期待します。また子供部屋が快適になりすぎることは、引きこもりを誘発することが明らかです。部屋を裕福にしないことは、結果的に床面積を減らすことに繋がり、コストも抑えられます。数年後、いずれ巣立つ子供達に広い部屋を与え、将来的にそこが空き部屋と化すことは目に見えているのですから、将来を見据えた住まいづくりが大切です。

収納のヴォリュームと位置を考察

 「収納を出来る限り多くしてください」 ヒアリングの際、結構な確率でこのフレーズが出てきます。判らなくもないのですが、その前に家を建てる原点を振り返ってみてください。モノを収納するために家を建てるわけではありません。収納は一ヵ所に大きく取らず、必要なところに必要なだけ、を心掛けて設計しています。雑多な物を押し込める納戸も当然必要ですが、それぞれの空間に必要な収納場所を家具で対応することが大切だと思います。その分スペースは広くできますし、なにより片付け上手で部屋がスッキリし、さらに使い勝手は向上するはずです。収納のスペースに床面積が取られなくなりますので、無駄に大きな家にならず、必然的にコストにも反映します。 そして一番大切なことは無駄な物を処分すること。ヒアリングを開始すると、みなさん結構無駄に囲まれていることに気付いていただけます。一度整理してしまえば、無駄な物を買い込まず、何か買うときも吟味するようになるようです。それが結果的には環境にも響くのです。無駄な物は処分する。買うときは本当に必要なのかよく考える。 物自体は心を豊かにしてくれません。工夫を心掛けることは、暮らしを豊かにしてくれることでしょう。

COMODO建築工房のリノベーション

思い出までリノベしないのが弊社の信条です。時が築き上げてくれた経年美化や家族の思い出を尊重しつつ、この先の生活へと適合させる。先代の喜怒哀楽を受け止めてくれた住宅をそっくりキレイにするのではなく、敬意を払いつつ現代のライフスタイルに適合させます。柱や梁を残すスケルトンまで時を戻すことで、温熱性能および耐震性能の確保を容易にし、この先にも残したくなる住宅へと昇華させます。住まい手さんはどこはかとなく、以前の住まいを彷彿させることでしょう。この先50年を見据えたリノベーションを心がけております。