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日々のことblog

2025.10.30

結露計算|ヒロの日常

住宅の性能を確認するうえで、断熱性能や気密性能はよく話題になりますが、実際の住まいの快適性を左右するもうひとつの大事な視点があります。
それが「結露」です。
結露というと、冬の窓ガラスにできる水滴を思い浮かべる方が多いと思いますが、実際には壁の中や天井裏など、見えない場所でも起こることがあります。
そして、この見えない結露が構造材を傷めたり、カビの原因となったりすることも。

そうした内部結露のリスクを事前に確認するため、弊社では岐阜県立森林文化アカデミーの辻充孝さんが公開されている防露計算ツールを活用しています。
このツールは、各部位の構成(室内側の仕上げ材から断熱材、外装材まで)を入力し、各層での温度や水蒸気圧を自動で計算してくれるもの。
数値の裏付けをもとに、どこで結露の可能性があるかを視覚的に確認できます。
一般的な住宅設計では、断熱材の厚みや性能値を中心に検討が進みますが、実際に室内の湿度や外気条件を踏まえた水蒸気の流れ方まで考慮しているケースは意外と少ないものです。
だからこそ、このようなツールを使って「見えない部分の安全性」を確かめておくことは、設計者として欠かせない工程だと感じています。

こうした防露計算を重ねていくと、単に「断熱材を厚くすればいい」という話ではなく、材料の組み合わせ方や、通気層・防湿層の位置関係がいかに重要かということも見えてきます。
また、冬の結露だけでなく、梅雨や夏場の逆転結露にも注意が必要で、栃木県のように寒暖差が大きい地域では、特に意識するべきことです。


そして気づけば、これまでデザインばかり目を向けていたCOMODOですが、すっかり今では空調計画にどっぷり。
最近では、図面を描いている時間より、空気の流れを追いかけている時間の方が多いのではと思えるくらいです。
とはいえ、それもまた家づくりのデザインのひとつ。
見えない空気をデザインできるようになったら、きっと家はもっと心地よくなる。
そんな思いで今日も建築と向き合っています。








ヒロ 拝

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