2026.05.08
kahvilan terassi|ヒロの日常
今回ご紹介するのは、私 (ヒロ)が担当する6軒目の住まいです。
昨年11月にプレゼンテーションを行い、その後、設計と見積りの調整を重ねながら計画を進め、これから基礎工事がはじまります。

■設計コンセプト
この住まいの設計コンセプトは「kahvilan terassi(カフィラン テラッシ)」。フィンランド語で「カフェテラス」を意味する言葉です。
お気に入りのカフェで過ごす時間のように、日常の中で少し肩の力を抜き、何気ない時間を穏やかに楽しめる場所であってほしい。そんな思いを込めました。
住まい全体を「テラス」のように捉え、内と外の境界をできるだけやわらかくつなぐことを大切にしています。室内にいながら外の気配を感じ、外へ出れば自然と家の延長として過ごせる。暮らしの中に、ふと立ち止まって深呼吸できる余白をつくることが、この住まいの軸です。
無理をせず、ありのままで心地よく暮らす。北欧の思想に根ざしたその感覚を、日本の住環境に合わせて丁寧に落とし込み、穏やかな日常が続いていく住まいを目指しました。

■外部環境
敷地は約100坪、東西に長く伸びる整形地です。敷地形状と周辺環境を踏まえながら、配置計画と外部構成を検討しました。ご夫婦の老後を見据え、動線を整理しやすく、外部との関係もつくりやすい平屋を前提としています。
西側は幹線道路に面しているため、ガレージを道路側に配置し、音・視線・動線を受け止める緩衝帯として機能させました。建物本体は敷地奥へ寄せることで、外部環境の影響を抑えながら、落ち着いた居住環境を確保しています。
南側には二階建ての建物が隣接していますが、十分な離隔距離が確保されているため日照条件は良好です。このため、南側と東側に多くの開口部を設け、安定した採光と外部との視覚的な広がりを確保しました。
特に東側は視界が開けているため、キッチンから庭を眺めながら作業ができる配置としています。
朝の光や外部の風景を取り込み、時間帯や季節の移ろいを日常の中で自然に感じられる構成です。

■内部環境
ご夫婦の終の住処として、延床16.6坪というコンパクトなスケールで計画しました。小さな住まいだからこそ面積を増やすのではなく、一つひとつの居場所の質を丁寧につくることを意識しています。
家の中には、カフェのように過ごせる場所をいくつも点在させました。リビング・ダイニングには、お気に入りの家具と照明に囲まれてくつろげる場所を。玄関は少し広めに計画し、寝室へつながるスペースでは、自転車のメンテナンスをしながらコーヒーを楽しめる場としています。
また、北側には天井を抑えた2畳の小部屋を設け、読書や昼寝ができる落ち着いた居場所に。ダイニングにつながる南側のインナーテラスでは、外の空気を感じながらお茶の時間を過ごせます。
一つの居間に集約するのではなく、いくつもの居場所を設けることで、その時々の気分に合わせて自然と居場所が選ばれていく。そんな住まいを意図しています。

■性能
快適さを支える性能についても、設計初期から大切にしてきました。「ミライの住宅」で学んだ考え方を取り入れ、空調負荷計算を行ったうえで、この住まいに対して無理のないエアコン容量を選定しています。
断熱・気密・換気を丁寧に整え、エネルギーに過度に頼るのではなく、自然の力を活かしながら穏やかに暮らせる住まいを目指しました。
意識せずとも心地よい。そんな状態が、長く続いていくことを大切にしています。
ヒロ 拝
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