2022.06.21
新作｜ニホンのコティ
久々の新作更新となりますが、決して仕事がないわけではないので、どうかご安心を（苦笑
むしろ未発表が数件あり、順次UPして参ります。（ただのおサボりと言う…）
さて、今作は新興住宅街の一角に立つ、店舗併用住宅の平屋の住まい。
タイトルのコティとはフィンランド語で「家」という意味を持ちまして、併設されるエステサロンの名称にもなります。
周辺環境は新しい住宅が建ち並び、整然と並べられています。外部環境との関係構築には少々厳しく、与えられた敷地内で完結させざるを得ない環境といえます。幸い敷地は広いですから、アプローチで変化を与えつつ、窓からの景色など、構築はしやすいかなと思います。住宅街ですとやはり高低差は皆無ゆえ変化に乏しいですから、基礎工事に発生した残土によってアンジュレーションを設けるのが効果的といえます。
外観のプロポーションは店舗併用住宅ゆえお客様動線とプライバシー動線の分断が必須。ましてエステともなると女性は心構えがウキウキでしょうし、現実味をあまり帯ない方がいいのかなと判断し、思い切って南北による分断とします。そうして出来上がったカタチは以前お作りした美容室「tierra」のように、屋根は繋がっているけれども、分棟されているかのようなカタチ。物理的な塀で区切るよりも、建物形状により視界の遮蔽を狙います。結果コテージのような、私的空間としてご体感いただけるのではないかと思います。
内部構成はエステサロンが手前の小四角、奥の大四角が住居となります。玄関により行き来できる動線とし、生活感の分断を計りつつも、日常生活として動きやすい動線を図ります。住居はシンプルな1LDKとし、相変わらず過度に面積ヴォリュームを持たせず、空間ヴォリュームを豊かにする工夫と仕掛け。閉じるところ開くところ、壁と窓、光と影が生み出す陰影、立体構成と平面構成、家具と建築の関係性構築などなど…多岐に渡り検討を重ねました。
温熱環境は俗世間で呼ばれる高気密高断熱仕様であり、床下エアコンを採用しています。
基礎工事が先週より始まっており、竣工は年内目標…資材供給次第と言えるかもしれません。
飯田 拝
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